ArtAwardTokyo of Tokyo Art World JP

寺村利規 寺村利規  無題 2009 年 1300 x 3055 x 25 mm パネル、キャンバス、油彩藤居典子藤居典子  EN 2008年 915 x 3640 x 20 mm MDF、鉛筆

アート アワード トーキョー 丸の内 2009


2009年4月29日~2009年5月31日
行幸地下ギャラリー

日本的

2009年5月24日

アートアワードトーキョーは若手アーティストの発掘・育成を目的とした現代アートの展覧会である。全国の美術・芸術大学の卒業制作展から選抜した約50点の作品を行幸地下ギャラリーにて約1ヶ月一般無料公開する。行幸地下ギャラリーとは、東京駅地下にある全長220mにおよぶ公共空間を活用したガラスショーケース型の展示スペースだ。

約50点の作品は、著名な現代アーティストである村上隆氏をはじめとする審査員により審査され、グランプリを始めとする各賞が選出される。ちなみに今回グランプリを受賞したのは、wahという二人のアーティスト(南川憲二、増井宏文)である。

アートアワードトーキョーは今年で3回目を迎えるが、昨年も色々な作品を鑑賞したことを覚えている。今回は作品を鑑賞するだけでなく、ギャラリートークというイベントにも参加できた。これは、作品を出展したアーティストが、プロのアーティスト、キューレーター、コレクター、および一般の観客の前で自身の作品を説明し、彼らからの質問に答えるというイベントである。

今まで美術館やギャラリーの展覧会で色々な作品を鑑賞してきたが、実際の作品を前に、それを制作したアーティストから直接作品について説明してもらうというのは初めての体験だ。およそ10人弱の若手アーティストの説明を拝聴する中であるひとつの共通点に気がついた。それは彼らの、「自身の表現したいことを完全に表現できれば自分はそれで満足である」という若干内向きな姿勢である。

同じような指摘を、文化庁メディア芸術祭の審査員の一人がされていたかと思う。日本のアーティストは、どちらかと言えば自己の内面を見つめ、そこに横たわる何かを自分なりに表現することにこだわるという。一方海外のアーティストは、自身と社会との関係性を作品を通して世間に問うという姿勢が一般的であるらしい。

日本の若手アーティストに特徴的なこの要素は、時に自己中心的、ナイーブさ、などネガティブな面が強く現れる可能性はあるものの、こうした特徴こそが日本的であり、世界の他のアートとは一線を画す強みを日本のアートにもたらしてくれる可能性はあると思う。今回出展したアーティストには、自身の内面をこれからも深く見続け、多くの人の心を強く捉えて離さない作品を作り出して欲しいと思う。

この展覧会の詳細は下記まで。

www.artawardtokyo.jp





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