HiiraghiAkemi of Tokyo Art World JP

北川宏人 柊明美北川宏人 柊明美北川宏人 柊明美

柊明美


北川宏人
2009年
テラコッタ、アクリル
164x35x27cm


阿修羅の目

2009年4月12日

阿修羅像と聞いて何を真っ先に思い浮かべるだろうか。私は、その像の目がすぐに頭に浮かぶ。眉を寄せ、怒りを湛えたようなその強いまなざし。少年のような、少女のような、若々しさを感じさせるふっくらとした頬からは対照的なほど鋭いまなざしである。

北川宏人の作品「柊明美」を目にした時、何故かこの阿修羅像の目を思い浮かべた。切なそうな、悲しそうな、物思いにふけるような、虚空をぼんやりと眺めるその視線は見る者の心をざわつかせる。彼女は一体何を思うのだろうか?

ほっそりとした体とすこし猫背で前屈み気味の頼りなさげな背中と肩。少しすぼめ気味のピンク色の唇。その可愛らしく、はかなげな様子を見ていると、愛おしく、守ってやりたいという気持ちさえ湧き出てくる。

阿修羅像の若々しいが険しく厳しい姿とは似ても似つかぬ姿なのに、なぜこの柊明美を見て私は阿修羅像の目を思い浮かべたのだろうか。

月並みだが、それはこの二つの像には共に魂が宿っているからだと思う。柊明美は単なる像ではない。そこには人の心を震わす力が備わっているのである。



参照:「アートフェア東京と101TOKYO」展


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