NeotenyJapan of Tokyo Art World JP

akiyama.jpg秋山さやか ベルリンをあるく 2006年6月1日~16日(16点組) 2006 *部分 Courtesy the artist katomika.jpg加藤美佳 パンジーズ 2001 Courtesy TOMIO KOYAMA GALLERY

ネオテニー・ジャパン - 高橋コレクション


2009年5月20日~2009年7月15日
上野の森美術館

日本現代アートの縮図

2009年6月7日

本展覧会は、日本屈指の現代アートコレクターである高橋龍太郎氏私蔵の1000点以上に及ぶコレクションの中から、厳選した97点を展示する企画展である。村上隆、奈良美智、会田誠、小沢剛、加藤美佳、鴻池朋子、束芋、名和晃平など、錚々たるアーティストの作品が一同に会しており、過去10年の日本の現代アートシーンを語る上で欠かせないものに仕上がっている。

そもそもネオテニーとは何か?元々は、「幼形成熟=幼形を保ったまま性的に成熟する」過程を意味する学術用語らしい。高橋氏は、1990年代以降の日本現代美術の特徴ー幼さ、かわいい、漫画、アニメ、オタク、内向性などーをこのネオテニーという言葉で表現しているわけである。

会場ではこのキーワードが持つ特徴を感じさせる作品を多々鑑賞することができる。いくつか例をあげると、奈良美智の「Candy Blue Night 」、鴻池朋子の「mimio-odyssey」、村山留理子の「愛のドレス」、加藤美佳の「パンジーズ」、秋山さやかの「ベルリンをあるく 2006年6月1日~16日」などである。

個人的には、池田学の「興亡史」を興味深く拝見した。これは、ペンだけで描き出された非常に緻密で徹底した作品である。池田はこの作品を特に下書きも書かずに、どんな形に最終的になるのかわからずにいきなり書き進めたという。完成には1年半ほど要したらしい。この話を池田本人の口から直接聞いた時、ふと最近亡くなった小説家の栗本薫のことを思い出した。彼女も小説を書くとき、果たしてどんな結論になるのかわからずにただひたすら書き進めるのだという。アーティストとはジャンルは異なれど共通する衝動のようなものがあるのかもしれない。

この展覧会の詳細は下記まで。

www.myspace.com/neotenyjapan


読者プレゼントのお知らせ。本展覧会御観覧ご希望の方は、住所、氏名、年齢をご記載の上、下記アドレス宛てに7月1日までにご連絡ください。抽選で5組10名様の方に本展覧会の入場チケットをプレゼントさせて頂きます。

tokyoartworld@gmail.com

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