フランツ・クサファー・ヴィンターハルター ≪オーストリア皇妃エリザベート≫ 1865年 国家家財管理局 宮廷家財庫 ウィーン家具博物館蔵 (c) Bundesmobilienverwaltung-Hofmobiliendepot Möel Museum Wien
THE ハプスブルク
2009年9月25日~2009年12月14日
国立新美術館
ハプスブルク美術館
2009年10月23日
見応えのある展覧会である。いや、「展覧会を鑑賞する」というより、「ハプスブルク美術館を鑑賞する」という表現が正しいかもしれない。入り口ではハプスブルク家の紋章が載せられた幾つもの垂幕が来場者を迎えてくれる。場内は、青、赤、灰色、緑、茶色の壁でグループ分けされ、それらの壁面を金色の木枠が、まるで絵画を飾る額縁のように装飾する。
ハプスブルク家は13世紀に勃興し、その巧みな婚姻政策により20世紀初頭までヨーロッパに君臨し、神聖ローマ皇帝も数多く輩出した名門王家である。歴代の王は、デューラー、ティツィアーノ、ベラスケスなどを庇護し、同時にクラナッハ、ラファエッロ、エル・グレコ等、16世紀から18世紀にかけてのヨーロッパ美術の真髄を伝える「オールドマスター」の収集でも名高い。
本展覧会は、ハプスブルク家の肖像画、イタリア絵画、ドイツ絵画、スペイン絵画、フランドル・オランダ絵画の主に5つのセクションに分かれる。この五つのセクションで展示されるこれらの絵画作品75点に加え、ハプスブルク家ゆかりの工芸品、彫刻、武具等を中心に、その他ハプスブルク家所有外作品群も含め、来場者は鑑賞することができる。また今回は国交樹立140周年を記念して、明治天皇から当時のオーストリア・ハンガリー二重帝国の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世に寄贈された画帖と蒔絵棚も特別に展示されている。
本展覧会で展示されている作品はどれも見応えがあるものばかりである。それらの作品一つ一つを楽しみ、通常の展覧会とは異なる会場内の特別な雰囲気を味わうためにも、来場者は十分な時間を確保しておく事をお勧めしたい。
この展覧会の詳細は下記まで。
http://www.habsburgs.jp
読者プレゼントのお知らせ。本展覧会御観覧ご希望の方は、住所、氏名、年齢をご記載の上、下記アドレス宛てに10月30日までにご連絡ください。抽選で10組20名様の方に本展覧会の入場チケットをプレゼントさせて頂きます。
tokyoartworld@gmail.com