≪かぐわしき大地≫ 1892年 大原美術館(7月3日~8月30日期間限定展示) ≪エ・ハレ・オエ・イ・ヒア(どこへ行くの?)≫ 1892年 シュトゥットガルト州立美術館 ©Foto: Staatsgalerie Stuttgart ≪我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか≫(部分)1897-98年 ボストン美術館 Tompkins Collection-Arthur Gordon Tompkins Fund,36.270 Photograph©2009 Museum of Fine Arts, Boston. All rights reserved.
ゴーギャン展
2009年7月3日~2009年9月23日
東京国立近代美術館
タヒチの熱
2009年7月26日
本展覧会は、ゴーギャンが残した最大の作品にして最高傑作と言われる《我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか》を始め、日本初公開作品7点を含む53点の厳選された作品を紹介する催しである。
鑑賞者は、印象派の影響が明らかな初期、その影響から脱していくブルターニュ時代、タヒチでの創作、そして最晩年の作品まで、ゴーギャンの作風の変遷を造形と主題の両面から辿ることができる。
本展覧会の作品をいくつか紹介しよう。最初の作品は《かぐわしき大地》。タヒチ時代の作品である。たくましさを感じさせるタヒチ女性の肉体とその肌の色が熱帯という言葉を強く想起させる。印象派時代やブルターニュ時代に比べ、一目で注目を惹きつける力がこの絵にはある。同じタヒチ時代の作品である《エ・ハレ・オエ・イ・ヒア(どこへ行くの?)》も印象的である。
大作《我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか》には多くの主題が描かれている。赤子、少女、若い女、老女、犬や猫などの動物、そして立像。この中で特に印象的だったのが、画面右下に描かれた三人の女性の内、あごに軽く手をのせて座っている二人の女性である。誘惑するような彼女たちのその流し目が美しい。同じ主題は《テ・パペ・ナヴェ・ナヴェ(おいしい水)》でも描かれている。
個人的には《ファア・イヘイヘ(タヒチ牧歌)》が一番印象深い。燃え立つような色の中様々な姿態をとる裸身。生命という言葉を連想させる作品である。タヒチとはこのような熱を感じさせる場所なのだろうか。
この展覧会の詳細は下記まで。
http://gauguin2009.jp/
読者プレゼントのお知らせ。本展覧会御観覧ご希望の方は、住所、氏名、年齢をご記載の上、下記アドレス宛てに8月15日までにご連絡ください。抽選で5組10名様の方に本展覧会の入場チケットをプレゼントさせて頂きます。
tokyoartworld@gmail.com